Windowsに移植されているコマンドラインツールは数多くありますが、 それぞればらばらの方針でインストールするとわけがわからなくなります。 そこで統一的な枠組みを作ってくれるのが株式会社ピーデーの NT Tools Frameworkです。
具体的にはコマンド類やドキュメント類をインストールするディレクトリを作った上で 各環境変数を設定するというものです。詳しくは株式会社ピーデーのWebサイトに記載されています。
私にとって、このツールの良いところは人任せでコマンドツールのインストールの方針が決まったことと、 コマンド名と同名のテキストファイルが所定のディレクトリにあれば それを同梱のmanコマンドにより参照出来ることです(インストール後、「man man」としてmanのマニュアルを読んでください。)。
tsetupやtconfirmというツールも同梱されています。ただ私は使っていません。 本当はこれらをインストールしないと「NT tools Framework」の便利さのほんの一部分しか使っていないことになると思いますが。
tsetupはインストーラであり、tconfirmは私の理解では「"NT tools Framework"が導入されている任意のPCで バッチを実行する際にバッチに書かれているコマンドがインストールされているか確認し、 インストールされていなければtsetupでインストールの補助をする」というツールです。使いこなせば便利かもしれません。
でも、私はインストールはコマンド自体と解説が書かれているテキストファイルだけ所定のディレクトリにコピーしています。 これはtsetupでは不要なファイルまでコピーされてしまうからです。
また私は通常1台のPCだけしか使いませんのでtconfirmも使うことはありません。
NT版 UNIX-like toolsは 株式会社ピーデーによるUNIX風のコマンドライン用ツール一式です。 基本的に、日本語(シフトJIS)を適切に処理するとのことです。
収録コマンドは以下の通りです。
UNIXと同じコマンド名でUNIXのコマンドとほぼ同等のもの |
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cat.exe, cmp.exe, cp.exe, diff.exe, egrep.exe, expand.exe, false.exe, fold.exe, foreach.exe, head.exe, ls.exe, mv.exe, od.exe, pr.exe, pwd.exe, rm.exe, sort.exe, split.exe, tail.exe(*), tee.exe, test.exe, touch.exe, tr.exe, unexpand.exe, uniq.exe, uudecode.exe, uuencode.exe, wc.exe, what.exe |
(*)UNIX系OSでは例えばログの変化をリアルタイムで見るという目的で「tail -f ファイル名」という使い方がされます。 しかしNT版 UNIX-like toolsに含まれるtail.exeには-fオプションがありませんでした。 そこで、そのような機能を使いたい場合は以下のようなソフトウェアを使うことになります。
UNIXと異なるコマンド名だがUNIXのコマンドとほぼ同等のもの |
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cdate.exe | UNIXのdateコマンドと同等 |
fecho.exe | UNIXのechoコマンドと同等 |
findf.exe | UNIXのfindコマンドと同等 |
joinf.exe | UNIXのjoinコマンドと同等 |
makedir.exe | UNIXのmkdirコマンドと同等 |
removedir.exe | UNIXのrmdirコマンドと同等 |
tman.exe | UNIXのmanコマンドと同等 |
UNIXと同じコマンド名でUNIXのコマンドと同等でないもの | |
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chmod.exe |
MS-DOS標準のattribコマンドと同様 |
NT版 UNIX-like toolsオリジナルのコマンド | |
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xeq.exe | ワイルドカードを展開し、stderrをリダイレクトしてからのコマンド実行 |
NT版 UNIX-like toolsに収録されていないツールで必要なものは個別に探す必要があります。 多くの方が移植をしてらっしゃるので探すこと自体は簡単なのですが、日本語を使えるかを確認する必要があります。 私の使っているツールは以下の通りです。
コマンド名 | 入手方法等 |
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less |
福井隆司氏による日本語化パッチの適用及び拡張を施されたlessのバイナリをLess Licenseに従って再配布します。
(2005年1月現在、福井隆司氏のサイトは閉鎖されていました。) less-358-iso249-win32-ix86.tar.gz このlessではShift-JIS、JIS、EUCのファイルを表示できます。 また、GUIですがテキストブラウザとして村岡太郎氏作の ABrowserがあります。lessと同様に ANSIのカラーコードに対応しています。 |
ed | edより機能は劣るもののWindowsNT系列のWindows2000やWindowsXPにはedlin.exeが存在し、 過去のバッチファイルなどの延命が図られています。 Edlinに Microsoftによる説明がありますが、 真鍋汽船氏の Captain's Selection '00-10/Edlinの方がわかりやすく説明されています。 |
df du |
ryu1氏のWEBサイトからダウンロードできます。 |
wget |
wgetのオフィシャルサイトからたどって
win32版をダウンロードすることができます。 またGUI操作できるもとのとして以下の二つが挙げられます。 WinWGet MOONGIFTによるWinWGetの解説・レビュー wGetGUI MOONGIFTによるwGetGUIの解説・レビュー |
gawk sed |
谷本孝浩氏、吉澤 康介氏のバッチの適用等により、
EUC、Shift-JISに対応したgawk win32 、
sed win32が
Vectorからダウンロードできます。 |
xargs | 吉岡照雄氏による
xargs.cmdを
Vectorからダウンロードできます。(Windows NT系専用) xargs.cmdでは渡される引数部分には"%I"を使います。この%Iは はFOR文の変数なので、%~fI等の「help FOR」で参照できるオプション構文を使うことができます。 また、スペースが含まれるファイル名等を引数とする時は同梱されているlargs.cmdを使うと便利です。 |
tar gzip bzip2 |
これらはwin32版のTeXの
簡易インストーラであるtexinstに附属しているものを使うのが手っ取り早いと思います。
TeXの項でも説明しますが、角藤氏のサイトの
W32TeXに記載されているミラーサーバからダウンロードできます。 |
nkf |
COW氏のWEBサイト からwin32版をダウンロードできます。 Vectorからもダウンロードできます。 |
dd | John Newbigin氏作のdd for windows
があります。 ドライブ自体を指定する時は「\\.」をドライブ名の前につける必要があります。 例 dd if=\\.\d of=filename bs=1M |
ftp |
クライアントのページをご覧ください。 |
scp sftp |
クライアントのページをご覧ください。 |
番外編3 WindowsでLinuxの機能を使う(重量級編)のページに移動しました。(2004年11月)