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はてなブックマークと集合知、はてなとgoogle

sta la sta - はてブのホットエントリは集合知とは無関係は「集合知」がMy Life Between Silicon Valley and Japan - Wisdom of crowdsで考察される「Wisdom of crowds」の定義と同じでありその定義が正しい限り全くもって同意見です。

My Life Between Silicon Valley and Japan - Wisdom of crowdsで考察されるWisdom of crowdsは経済学で仮定する完全競争市場のような状態を前提としているように思えます。完全競争市場では各プレイヤーは自分では価格を決定できない「プライス・テイカー」として行動することになります。

一方、はてなブックマークでは「最近の人気エントリー・注目のエントリー・人気ブックマーク・お気に入り」が大きな役割を果たすため、各ブックマークの独立性は放棄され、むしろアルファブックマーカーの「有用」という判断がフォロワーにより何倍にも拡大される仕組みとなっています。アルファブックマーカーは市場における「プライス・メイカー」の立場を手にしていますので、はてなブックマークのホットエントリは集合知とは無関係と言えると思います。

そもそもはてなのサービスはどれをとっても上記の参考記事における集合知ということを意識しているようには見えません。はてなの多くのサービスはヘビーユーザーの人力による情報整理を意図しているように見えます。

特にはてなブックマークでは、誰かが有用と判断した記事に対してなるべく多くのタグをできる限りの多くの人数によって付けてもらうことで情報整理を行うことが目的だと思います。「最近の人気エントリー・注目のエントリー・人気ブックマーク・お気に入り」はタグをつけてくれる人を増やす道具に思えます。

さて、そのはてなブックマークで実現される整理された情報は何を意味するのでしょうか。

ところでGoogleのPage Rankは集合知を目指していると思えますが集合知という点だけでなく、はてなとgoogleは本質的にかなり違うんじゃないかと思います。例えばPage Rankではソフトウェア的な実装の前にまずきれいな理論があるように思えます。その理論は明確な実現するべき現実(検索結果)を示していると思います。一方ではてなはまず技術ありきでそれを使って何か面白い結果ができるんじゃないかという流れがあるように私には思えます。

つまりGoogleでは理論の実現方法として技術が使われているように思えるのに対し、はてなでは技術が先行してそれで実現されるものは色々な作用の結果に過ぎないように思えます。はてなではユーザーの人力を重要視していますが、それと各サービスの相互作用により実現される結果は事前には描かれていないように思えます。

これは別にはてなが悪くてGoogleが良いと言っているわけではなくて、はてなとGoogleは目指しているものやそれを実現するプロセスが全然違い、「技術志向」というくくりでふたつを並べるのはあまり意味がないんじゃないかと思うということです。
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